「何かする前に、必ずこちらの顔を見る」
「『いい?』と何度も確認してくる」
「怒られそうな場面で固まってしまう」
こんな子どもの姿を見て、
「私が厳しすぎたのかな…」
と不安になるママは少なくありません。
ですが、子どもが親の顔色をうかがう行動には、
発達心理学的にとても大切な意味があります。

子供のこういう行動は「参照視」と言います!
この記事では、小児科看護師の視点から
「参照視(さんしょうし)」という行動の正体と、
ママが安心して関われるヒントをお伝えします。
子どもが親の顔色を見る行動は「参照視」
心理学では、子どもが大人の表情や態度を手がかりに状況を判断する行動を
参照視(social referencing) と呼びます。
参照視とは
子どもが「これは安全?」「どう感じればいい?」と迷ったとき、
信頼している大人の反応を参考に判断する行動
です。
小児科の外来や病棟では、
注射や診察の前に
ママの表情をじっと見つめる子どもをよく見かけます。
泣くか、我慢するか、逃げるか。
その判断を、ママの表情から読み取っているのです。
参照視はいつから見られる?
参照視は、
生後8か月〜1歳頃からはっきり見られるようになります。
- 初めての場所
- 大きな音
- 痛みや不安があるとき
- 失敗したとき
子どもは言葉より先に、
大人の表情や声のトーンを見て判断します。
これは特別な子の行動ではなく、
ほぼすべての子どもに見られる自然な反応です。
顔色をうかがう=悪いこと、ではありません
「顔色をうかがうなんて、気にしすぎでは?」
「厳しく育てすぎたのかも…」
そう感じるママも多いですが、
顔色をうかがう行動そのものは問題ではありません。
むしろ、
- 親を信頼している
- 親を判断の基準にしている
というサインでもあります。
問題になるのは「警戒のための参照視」
参照視には、大きく分けて2つの使われ方があります。
安心のための参照視
- 親の顔を見る
- 「大丈夫そう」と分かる
- 自分で行動できる
- 失敗しても立ち直れる
警戒のための参照視
- 常に親の表情をチェックする
- 動く前に固まってしまう
- 「怒ってる?」を何度も確認する
- 失敗を極端に怖がる
小児科で見ていて感じるのは、
警戒モードの参照視が強い子ほど
とても周囲をよく観察している子だということです。
これは弱さではなく、
環境に適応しようとした結果でもあります。
ただし、この状態が続くと
子どもは
- 挑戦する
- 学ぶ
- 自分で決める
力を使いにくくなってしまいます。
参照視が「警戒モード」になりやすい関わり
よくある誤解ですが、
厳しい=ダメ ではありません。
影響が出やすいのは、次のような環境です。
- 親の機嫌で対応が変わる
- 怒られる理由が子どもに分かりにくい
- 失敗が「否定」につながりやすい
- 表情や声が常に緊張している
このような状況では、子どもは
「間違えたらどうなる?」
「嫌われない?」
を確認するために、
参照視を警戒のために使い続けるようになります。
小児科看護師としてママに一番伝えたいこと
たくさんの親子を見てきて、
私が一番大切だと感じる問いは、これです。
この子は、失敗したときに私を頼れているかな?
叱ってもいい。
注意してもいい。
でも大切なのは、
失敗したあとに「愛のある関係は続いている」と伝わっているかどうか。
それが、参照視を
安心モードに保つ鍵になります。
行動をしかったことで子供は
「否定された」「失敗してはいけない」
と警戒モードに切り替わろうとしてしまいます。
そこで、
「でも私はあなたが大好きだよ」
「いつでも相談してね」
と、そっとフォローすることで親子の信頼関係が形成されていきます。
今日からできる関わり方
完璧でなくて大丈夫です。
次のことを、意識できるときだけでOKです。
- 失敗直後、表情を少し緩める
- 「大丈夫」「一緒にやろう」を先に伝える
- 注意は、子どもが落ち着いてから
これだけで子どもは、
「失敗しても、ここは安全」
と学びます。
「いい?」と何度も聞く行動も参照視
自分で色鉛筆もスケッチブックも用意しているのに、
「ママ、お絵描きしていい?」
と確認してくること、ありませんか。
「え…別にいいけど?」みたいな笑
これも、参照視が土台にある行動だと考えられています。
こんなときは、
「いいよ!」と笑顔で背中を押してあげてください。
大好きな人からの
あとひと押しが欲しいだけなのです。
「承認」が欲しいだけなのです。
まとめ
- 子どもが親の顔色を見るのは参照視という自然な反応
- 顔色をうかがう=育て方の失敗ではない
- 問題は「厳しさ」ではなく、安心とのセット
- 参照視は、安心があれば子どもの力になる
ママが悩んでいる時点で、
もう十分に子どもを大切にしています。
私も自分に余裕がない時に、無意味に怒ってしまうことあります。
子供を育てる以上、どうしてもそんな時あります。
肩の力を抜いて、子供と笑顔の毎日をつくっていきましょう♪


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